元無職の受験無双

親に騙されて大学に3つ通った末に予備校講師になってあまりの詐欺っぷりに嫌になってやめた筆者が、受験の表も裏も混ぜこぜにしてただ1つの正解=ド正論を吐き出す場。受験以外の話もします。

予備校選びは「とりあえず大手」でいい理由と裏事情

どうも元無職です。

このブログは大学受験を3回した挙句予備校講師をしていた筆者が、受験のことや勉強のことをいろいろ書くものです。
よろしくお見知りおきください。

記念すべき最初の記事は、

「予備校選びってどうしたらいい?」

です。 

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Arek SochaによるPixabayからの画像

まず結論から言うと、どこだろうとマジでどうでもいいです。

 

なぜかというと、予備校は「提供する学習の質」じゃなくて「経営モデル」で在り方が変わるからです。

※細かい予備校比較とかはまた別記事でやります。
今回はざっくり概要ですね。

 

[目次]

 

予備校で一番価値があるのは内部テキスト

そもそも、受験生が何を求めて予備校に行くのか。

まずここがズレてるんですよね。

おまえのライバルは全員志望校に落ちる

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WikiImagesによるPixabayからの画像

予備校を決める際の決まり文句は、

・先生がいい
・環境がいい
・面倒見がいい
・ライバルがいる

などが定番ですね。

……はい。
すべて、どうでもよろしい。

特に最後の「ライバルがいる」とか。

難関校の受験の倍率は3倍とか5倍とかでしょ。

おまえの「ライバル」とやらは、基本的に全員落ちるぞ。
もしくは「ライバル」が受かっておまえが落ちる

少なくとも、そうなる可能性が確率的に一番高い。

この当たり前すぎることをわかっていれば、受験に「ライバル」なんて求める意味がないことがわかるはずなんだけど。

「ライバル」なんてのは単に、自分にやる気がないことの言い訳でしかない。

 

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Syaibatul HamdiによるPixabayからの画像

あとまぁ「ライバルがいるよ」って言っておけば予備校が集客しやすいんで、そういう言説が広まったというのが一番濃厚ですね。

予備校の予算って、けっこうな割合が広告費に消えるんですよ。
東進や四谷の駅構内広告とかヤバいですよね。何億円そこに使ってるんだ
なので、「ライバル」という名目で既存の生徒の人脈から"お客さん"を呼んでこれるなら、予備校にとってこんなにガバいことはないです。

だから、「ライバルに差をつけろ!」とか言うんです。

じゃあ結局、予備校は何で選べばいいのか

予備校の質は、内部テキストの質

ただそれ一点です。 

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Thorsten FrenzelによるPixabayからの画像

いまや世の中には参考書が溢れていますが、大手予備校が本気を出すのは内部テキストです。

具体的に本気を出すとどう変わるのか?というと、

①問題数が少ない
(少なくてもいいセレクトにしてある)

②(講義前提とはいえ)1問から得られるエッセンスが多い

この2点が全く異なります。

要するに、予備校のテキストってのは、

「市販のテキストより全然薄いけど、私たちの授業を聞けばこれだけで完成するよ」

というクオリティにしてあります。

(中に入ると、実際にそういうことを言われます)

で、これは実際のところ正しいというのが私の感覚です。

ただまぁ、これはまた別の記事で書こうと思うんですが、結局予備校のテキストをやり切れる学生はほとんどいないってところに別の問題があるんですけど……

 

予備校のテキストは、校舎に行けばサンプルを見せてもらえます。

ただ、基本的に勉強ができないから予備校に通うはずの学生たちが、通う前にそのテキストを見て合う合わないを判断せよってのも難しい話でしょう。

よって、とりあえず最寄りの河合か駿台に行って、校舎の雰囲気とか清潔感が気に入ったとこを選べばいいです(適当)。

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Arek SochaによるPixabayからの画像

そう、予備校選びなんて適当でいいんですよ。

あえて言うなら大手で学費が安いとこが一番かな。

そういう意味でも、河合・駿台がベストです。

東進は大手だけど高いし商業主義だからやめとけ

「予備校に行けば成績が上がる」わけがない

こういうことを言うのはなぜかというと、予備校に行けば成績が上がるわけじゃないからですね。

予備校ってマジで詐欺だと思うんですけど、

いかに成績が上がるための素材や状況が揃っているかをアピールしておいて、いざ肝心の成績は「結局やるかやらないかは本人次第」で逃げて金だけ取るんですよね。

つまり提供したサービスに対する品質保証がない。

これは予備校が

生徒を契約者として、学費は保護者から取るという特殊な形態の商売をしているからできることなんですけども。

サービスの受益者が「コドモ」なのをいいことに、適切な補償を行わなくていいことになってる。
これがそもそもの予備校の闇です。
ちなみに、契約書面には「指導を提供する」みたいなことしか書いてないので、契約上は成績保証がないことになんにも問題はありません。

一部合格保証・成績保証的なうたい文句の予備校がありますけど、あれは10人成績が上がらなかった人がいて1人還元してもらえるかどうか、くらいのめちゃくちゃ細かい注意事項付きなのでないものと思った方がいいです。

そうそう、なので

成績保証がついてる予備校はやめとけ

とは言えます。

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C. KochによるPixabayからの画像

成績保証なんて、「私たちは詐欺してませんよ」アピール以外の何物でもありません。

「私は怪しいものじゃありません」って自分で言う人ほど怪しいのに、予備校選びだとこんなわかりやすい手法に引っかかっちゃう人が多いのは、悲しいですね。

予備校の学費を決めるのは「ビジネスモデル」ただ一点

ここはマジで多くの学生が騙されるところ。

たとえばMカルラボみたいなバカ高い医専予備校は、なんで高いのか?

答えは簡単です。

高くしても売れるから。

それだけです。

そりゃスタッフはいろいろ言いますよ。
情報戦がどうだの、ケアの充実度がどうだの。

でも、実際中に入ってみると(塾生側じゃなくスタッフ側としてね)

「別に採算と効率化だけ考えたらもっと安くできるけど、売れるから売ってる

という現実がよくわかります。

ド●モとかの大手ケータイ会社と一緒です。
高くても売れるから売る。
需要と供給が成立してるから売る。

フォローしておくと、現場のスタッフが生徒のために必死にやってるのは間違いない事実です。
ただ、経営陣はそんなことを微塵も考えていません。

だってビジネスだもん。

だから、「高い予備校には高いなりの理由がある」なんてことは基本的にないです。

高い予備校は利益率を高く設定しているだけです。

得てして予備校は大手は安く、個別指導塾は高くなるのですが、これはコストの問題だけでなく、大手の需要が大きく、個別指導の需要が小さいのでSD曲線に応じた価格になっているだけです。

高い予備校はいい、なんていう幻想は捨てましょう。
逆に安くてダメな予備校はいっぱいあります

あらゆる予備校は結局スタディサプリには勝てない

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PexelsによるPixabayからの画像

予備校の付加価値は内部テキストと、その解説としての講義に集約される。

そう考えたときに、あらゆる予備校ってコスパの面でスタディサプリには勝てないと私は思っています。

スタディサプリのいいところは、インスタントに講義を消化できるところです。

あくまで講義ってものは予習を前提に、予習で解決しないところを知るためのツールでしかないので、授業は短ければ短いほどいいんです。

そういう意味でYoutubeで展開してる講義系Youtuberもいいんですが、カリキュラムの整理がされてないゆえに講義のチョイスが視聴者の好みに依存するのが欠点。

スタディサプリだと講義に付属してるテキストも意外と悪くないです。

それで値段は画像の通り、月2000円くらい。
さらに高いカリキュラム管理コース的なのはムダなのでやめましょう

なんぼ設備を整えたところで、「授業を提供する」という点においてコスパスタディサプリに勝てるのはもうYoutubeのプラットフォーム型の講義しかないと思います。

ただ、Youtubeは教科や分野ごとに見たい授業をすぐ見れるように整理するのが難しいので(Tryさんのチャンネルなんかがわかりやすいと思います。特定の授業を探すのがかなりめんどくさいですよね)

今のところ授業だけを求めるならスタサプが最高といっていいんじゃないかな、というのが私の結論です。

ていうかどこの学校・予備校に行ってるとかに関わらず、とりあえずスタサプは入れとくといいです。

まぁそうは言ってもスタサプだけだと演習が足りなくなるので、追加でいろいろ問題集を見繕う必要はありますが、

まずはスタサプ+学校の教科書でしっかり勉強して、演習したいなと思ったらその時点で自分に合うと思う問題集を買えばいいです。

きちんと教科書+講義を使って勉強した前提なら、自分でちゃんと必要な問題集が選べます。

問題集の選び方の記事はまた書きますが、

●薄くて
●解説が本文より厚い

のが基本です。

理科系でド定番になっている重要問題集とかがそれですね。

 

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映像授業は難しい

 そんなわけで大学3回つ→予備校講師までやった私の結論は、

スタサプ最強!!

になるわけですが……

 映像系で学習成果を出すのはマジで難しい

んですよねぇ。
私が(個人的に)一番勧めない予備校は東進です。

・東進じゃダメな理由

はまた記事にしようと思ってるんですが……
(一言でいうと、あそこは予備校じゃなくて営業会社だからです)

なんで映像系で成果を出すのが難しいかというと、

授業の質が上がれば上がるほど、授業に応じた満足感が高まるから

です。

これも予備校あるあるなんですけど、生徒の満足感をいくら高めても、成績は上がらないです。

どういうことかというと、

①わかりやすい・おもしろい授業を聞く

②「なーるほど!」と思う

この「なーるほど!」の感覚って、脳にとってめちゃくちゃ気持ちいいんですよ。
古代ギリシアよりこっち、人間はエウレカを求める生き物ですから。

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Gerd AltmannによるPixabayからの画像

そこで何が起こるかというと、

エウレカに満足して、脳がそこで勉強は終わったと判断しちゃうんです。

実際は全然終わってないのに、です。

このへんの話もまた今度まとめようと思うのですが(もうすでに3000文字書いてるのでw)、勉強って、このエウレカの状態をいかに避けるかが本質なんですよね。
(後日まとめたやつはコレ↓)

saiohorse-livin.hatenablog.jp

ここがわかってないと、エウレカに流されて「(本人いわく)やってるけど成績が伸びない」になる。

映像型はこの現象が一番起きやすいです。

いまこの記事を読んでる人は基本的に予備校探しをしてる人だと思うんですけど、映像型は本当に人を選ぶというのが現実です。

東進が伸びてきたから映像授業はいいと思ってる人もいるかもしれません。
それは間違っていて、東進が伸びてきたのは、

・商売がうまいから
・強烈なエウレカを与えてくれるから

であって、成績が伸びるからではないです。

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Engin AkyurtによるPixabayからの画像

結論は大手の授業型。ただし成績は伸ばしてもらうもんじゃない

そういう意味で、結論としては良質なテキストを用いている大手の授業に通うのが一番だと私は考えています。

今なら河合か駿台ですね。

 

「大手予備校は配布のテキストと授業だけで完結する」

は実際正しいので、「自分に必要なものを判断する」という生徒の思考負荷がその分減ります。

ただ、冒頭でも言った通り、目的を間違えちゃダメです。

大手の予備校は「授業を受けにいくところ」ではなく、「テキストを買う場所」であり、解答がテキストについていない代わりに必要な部分の授業を聞くことができるツールです。

そう。
大手予備校の授業は基本的にすべて受けるものではないです。

基本的にテキストをもとに自分で勉強を進めて、自分で解決できないところとか、添削を受けるために授業を受けにいく。

これが正しい予備校の活用法です。

予備校が詐欺集団だのいろいろ言いましたけど、実際受験生の行動次第ってのは間違いないです。

そこの焦点をずらして、「授業の質」だの「一流講師」だの「やる気スイッチ」だの言ってるから、学生たちは成績が伸びないんですよね。

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ComfreakによるPixabayからの画像

個別指導塾に行くくらいなら週4で家庭教師を呼べ

ここまで読むと、

「自分でテキストを進めて、解決できないところを授業に頼るんだったら個別指導塾でよくない?」

と思うかもしれません。

あと、「うちの子は大手の授業についていけないから個別」とか。
(いや、授業についていけないのは純粋な予習不足ですよ?と言いたいがこれも別の機会にする)

いや、個別指導塾はマジでやめとけ

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iphotoclickによるPixabayからの画像

個別指導塾はほぼすべてアルバイト講師です。
アルバイトでなく時給制の契約社員にして、「うちの講師は全員社員です」と謳ってる個別指導塾もあるっぽいですが、これもアルバイトと変わりません。
(ていうか「アルバイト社員」を指して「社員です」とか平気で言えますからね)

アルバイト講師を雇うことで人件費率を下げて利益率を上げるのが個別指導塾の経営モデルだから、当たり前です。

予備校側はいろいろ言うでしょうけど、実態は人件費が低いからアルバイト講師を使ってる、それ以上でも以下でもありません。

もちろん、生徒のために尽くしてくれる先生はたくさんいますけど、それはあくまで「先生個人の価値観」が優れているのであって、塾として優れているわけでは全くないです。
むしろ、スタッフをやってた身からするとそういった「先生個人の価値観」が優先される現場を作っている予備校はマジでクソです。

個別指導塾でいい先生に当たるまでガチャを引くくらいなら、個人で家庭教師を雇いましょう。

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Sasin TipchaiによるPixabayからの画像

時給3,000-5,000円出して国立医学部か東大の家庭教師を雇う方が絶対いいです。

私自身学生時代に家庭教師をしていましたが、だいたい塾講師の時給が1,200 - 2,000円くらい
3,000円の家庭教師のバイトがあれば喜んでいきます。

なので、3,000円出しておけば応募がバンバン来るので先生が合う合わないで切り替えることも容易です。

家庭教師を雇うなら週4くらいは最低入れましょう。
週4×2時間×時給3,000円でも、月の予算はざっくり40,000円くらい。

予備校の予算と比較しても普通です。

え?家庭教師を週4も入れなきゃダメなのかって?

指導力の低い学生講師なんて、週1-週2じゃ大した成果も出せないですよ。
東大理3とかでも全然例外じゃないです。
野良の家庭教師の先生は、科目の理解は高いし自分なりの優れた学習法を持ってますが、「この生徒を」「確実に落とさないために」というビジョン責任をもった指導はできません。
(家庭教師と掛け持ちで来てる生徒の担当教師を何度ぶっ●してやろうと思ったことか……このへんもまたそのうちに記事にします)

予備校であれ家庭教師であれ、基本的に指導ってのは、「講師が見てない時間に何をさせるか」がキモなので、指導力の低い家庭教師で成果を出すには「教師に関わっていない時間を少なくする」のが大正解です。

最低でも4、できれば週5か、休日手当つけて週6でもいいです。

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Andreas LischkaによるPixabayからの画像

結論を3行で

ということで今回の結論

①勉強は大手のテキストベースでやれ

コスパだけならスタディサプリ

③個別指導いくくらいなら週4時給3000円で家庭教師

以上になります。

ご読了ありがとうございました。

初回の記事なので盛りだくさん&話せてないことがたくさんあるので、今後もどんどん記事を更新していきます。

生徒自身もそうですし、生徒の保護者さんとか、元同業である予備校スタッフとかにとってもお役立ちな話になるかなと思いますので、よろしければ今後ともお付き合いください。

ではでは、ばいば~~い